光伝送実習
 
 目 的
  送信部で各種信号を光信号に変換し、光ファイバケーブルを通して受信部へ送信する実習をします。実習を通して光伝送について理解を深めます。
 
 理 論
  送信部は音声など各種信号を必要な大きさに増幅し、光変換素子(LED)で電気信号を光信号に変換し、光ファイバによって伝送します。
  受信部はPIN フォトダイオードで受信し電気信号に戻し、必要な大きさに増幅して再生させますこのとき、入力信号をアナログのまま直接光変調する方法と、一旦ディジタル変換し、パルス信号として送信する方法があります。
  ディジタル伝送の場合は、アナログ信号をAD変換器によって符号化し、この信号をシリアル変換して1本のケーブルで転送できる形にします。受信側では、シリアル信号からパラレル変換しDA変換器によって元の波形に再生します。
  それぞれに長所、短所がありますが、高速、大量のデータを高品位に伝送する揚合は、ディジタル伝送が信頼性が高く優れています。
 
 
1.アナログ送受信実習
 
 
 使用機材と設定
 操作方法
 
 手 順
 
 @ITF−201T(送信部)とITF−201R(受信部)を、付属の光ファイバケーブルで接続してください。
  光ファイバコネクタのねじは、きちんと止めてください。
 
 A初期設定は以下の通りです。設定は電源を入れる前に行ってください。
 ITF−201T(送信部)
 
   メロデイ(MELODY)SlO2        :1    入力部(INPUT)
   入力信号選択(INPUT SELECT)SlO3:MELODY 入力部(INPUT)
   ADクロック(AD CLOCK)SlO4      :0.5   アナログ/ディジタル変換部(A/D CONVERTER)
   DC AC(SlO5)               :DC    増幅部(AMPLIFIER)
   データ選択(DATA SELECT)SlO6 :ANALOG 電気/光変換部(E/O CONVERTER)
   バイアスモード(BIAS MODE)SlO7:ANALOG 電気/光変換部(E/O CONVERTER)
   出力調整(LEVEL ADJ)RlO5   :中央付近増幅部(AMPLIFIER)
 
 
 ITF−201R(受信部)
  バイアスモード(BIAS MODE)S201:ANALOG 光/電気変換部(O/E CONVERTER)
   入力信号選択(INPUT SELECT)S202:O/E   出力部(OUTPUT)
   スピーカ(SPEAKER)S203    :ON    出力部(OUTPUT)
   音量(VOLUME)R205       :左一杯 出力部(OUTPUT)
 
 B電源を入れてください。
 ITF−201TおよぴITF−201R電源 スイッチ:ON
 
 C光通信で信号が伝送されるのを確認します。
 ITF−201R出力部音量(VOLUME) R205を右にまわしてください。メロディが聞こえてきます。
 
 D光ファイバケーブルを ITF−201T 電気/光変換部TB107から、少しずつ離してみてください。
 
  次第に音が小さくなりメロディは、聞こえなくなります。
  TB107 が、赤く点灯しているのが確認できます。
 
 E再び接続し、入力信号を変えると、どのように変わるのか実習してください。
 
 ITF−201T(送信部)
   入力信号選択(INPUT SELECT)SlO3:1Hz 入力部(INPUT)
                            :MIC.                          
 F実習終了後、入力信号選択(INPUT SELECT)をメロディに戻します。
 ITF−201T                     
   入力信号選択(INPUT SELECT)SlO3:MELODY入力部(INPUT)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2.ディジタル送受信実習
 
 
使用機材と設定
操作方法                              
 
手 順
 @ディジタルにするとどうなるか確認します。
 ITF−201R 出力部(OUTPUT)スピーカスイッチ(SPEAKER)S203 を一旦 OFF にして以下の設定をします。これは雑音が出るのを防ぐためです。
 ITF−201T(送信部)
   データ選択(DATA SELECT)SlO6 :DIGITAL 電気/光変換部(E/O  CONVERTER)
   バイアスモード(BIAS MODE)SlO7:DIGITAL 電気/光変換部(E/O  CONVERTER)
 ITF−201R(受信部)
   バイアスモード(BIAS MODE)S201:DIGITAL 光/電気変換部(O/E  CONVERTER)
   入力信号選択(INPUT SELECT)S202:D/A   出力部(OUTPUT)
   スピーカ(SPEAKER)S203     :ON    出力部(OUTPUT)
  ディジタル伝送後の音が再生できます。
 
 AADクロックを変えるとどうなるか確認します。
 ITF−201T(送信部)
   ADクロック(ADクロック)SlO4   :1、2、5、10 増幅部(AMPLIFIER)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
3.入力信号変化送受信実習
 
 使用機材と設定
 操作方法
 手 順
 
 @設定は以下の通りです。
 ITF−201T(送信部)
   入力信号選択(INPUT SELECT)SlO3:1Hz      入力部(INPUT)
 ITF−201T、ITF−201R ともインジケータ 20〜27 の点滅を繰り返します。
 ITF−201R光/電気変換部TP201−TP202(R201)は送信されてきた信号波形です。
 
 A以下の箇所の波形をオシロスコープで観測してください。
 ITF−201T(送信部)                −
   TPlO3−TPlO4:試験信号波形のモニタ         入力部(INPUT)
   TP117−TP118:アナログ信号波形           電気/光変換部(E/O CONVERTER)
   TP119−TP120:ディジタル信号のシリアル変換データ 電気/光変換部(E/O CONVERTER)
   TP121−TP122:LED電流の電圧換算によるモニタ   電気/光変換部(E/O CONVERTER)
      (RlO6)                            
 ITF−201R(受信部)
   TP201−TP202:フォトダイオード(PD)の光入力に対する電流の電圧換算モニタ
      (R201)                    光/電気変換部(O/E CONVERTER)
   TP217−TP218:受信した光信号が電気変換され原信号の再貌が可態となった信号       出力部(OUTPUT)
   TP219−TP220:再現可能となっている原信号がディジタル信号のときアナログ再生直後の波形    出力部(OUTPUT)
   TP221−TP222:ITF−201Tから伝送された受信信号の再現波形     出力部(OUTPUT)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
結 果
 オシロスコープで観測した波形を結果としてまとめてください。
 
 
考 察
インジケータの点滅表示は、ディジタル化された信号を表しています。
アナログ信号がディジタル化されたときはどのように表現されるか考えてみましょ
 
 
 
 
観測例            
 オシロスコープで観測した例を示します。CHl(上側)はすべてITF−201TのTP103−TP104間の入力波形(1kHz、方形波)を示します。
 
(1)入力波形とアナログ信号波形